いよいよ、19回目となるハワリンバヤルが開催されます。ハワリンバヤルは、海外で開催されている一番大きなモンゴル祭りです。毎回1つのテーマを決めてモンゴルの文化やモンゴルにしかないものを日本の方々にお伝えしてきました。今回のテーマは「モンゴルの宝物マザーライ」です。モンゴルには世界的に珍しい希少動物、ユキヒョウ、モウコノウマ、マヌルネコなどが生息していますが、その中でも、本当に生息数が少ないことで知られているのがマザーライ(通称ゴビクマ)です。
マザーライが、生物学的に研究され始めたのはつい最近であり、2013年に独立した熊の一種と認定されました。モンゴルのゴビ砂漠にのみ生息しており、確認できたのはわずか22頭だけでした。マザーライはヒグマより体が小さくて、モンゴルの西南側ゴビ・アルタイ県の一部にのみに生息しています。マザーライの頭数は元々少なかったのですが、22頭まで減った主な原因は世界温暖化だと、学者たちは主張しています。マザーライはゴビ砂漠のいくつかのオアシスに生息しており、世界温暖化によってそれらのオアシスが減少したことがマザーライの減少の原因と考えられているからです。
モンゴルには世界的に珍しい希少動物、ユキヒョウ、モウコノウマ、マヌルネコなどが生息していますが、その中でも、本当に生息数が少ないことで知られているのがマザーライ(通称ゴビクマ)です。
因みに、モンゴルに生息していた野生馬モウコノウマは1960年頃絶滅してしまいました。しかし、1980年代以降国際的な協力のもと、ヨーロッパの動物園で飼育されていたモウコノウマを計画繁殖させ、ホスタイという丘で再野生化に取組んだ結果、今ではその数は約300頭まで回復しています。ウコノウマが絶滅するとき、私たちは何もできなかったんです。その悲しい歴史を繰り返さないために、私たちモンゴル人留学生も、マザーライを守るため何ができるのかと現在考えています。そして、先ずはモンゴルにこのような絶滅危惧種がいることを今回紹介させて頂くとともに、世界の絶滅危惧種の保護を呼びかけることにご協力を頂きたいと考えています。
中央大学大学院
法学科民法専攻 修士前期課程
ダンバ ガンフレル
いつもハワリンバヤルへお越し頂いている皆様、今回が初めての皆様、ようこそハワリンバヤル2019へ!昨年ステージの司会進行役を務めさせていただきましたモンゴル留学生会OGのブヤです。昨年は「可能性を秘めた若いモンゴル~大好きな日本に抱いた夢~」というテーマを通してモンゴルの若者たちが、日本で暮らし、文化や人々、技術や美術、歴史や礼儀などを通して体験したこと、感じたこと、学んだことなどを紹介させていただきました。今後とも引き続き、私たちは日本の皆様と寄り添い、共に向上していきたいと強く願っています。
さて、今年のテーマは「モンゴルの宝物マザーライ〜守ろうモンゴルにしかいない動物たち〜」です。上記のガンフレルさんが紹介した、モンゴルのゴビ熊「マザーライ」、野生馬「モウコノウマ」の絶滅危機についてどう思いましたでしょうか?日本の特別天然記念物の「トキ」が2003年に日本の空から姿を消したことと、モウコノウマがモンゴルの草原から姿を消したことを重ね合わせる方も少なくないと思います。本来なら、どの動物も「生きたい」という強い意思があり、小さな環境の変化などには決して動じません。しかし、人間が活動することによって生じる環境問題が年々と深刻化し、目に見えないところであらゆる生き物の命と暮らしを奪っていることが、これらの出来事からわかります。
上記のガンフレルさんが紹介した、モンゴルのゴビ熊「マザーライ」、野生馬「モウコノウマ」の絶滅危機についてどう思いましたでしょうか?日本の特別天然記念物の「トキ」が2003年に日本の空から姿を消したことと、モウコノウマがモンゴルの草原から姿を消したことを重ね合わせる方も少なくないと思います。
では、この悲しい歴史を繰り返さないために何ができるのでしょう?モンゴル人留学生が一丸となって真剣に悩み、たどり着いた答えが、ハワリンバヤルの新しいマスコット「モンちゃん」です!私たちがモンちゃんに込めた思いは、モンゴルに生息する希少動物のマザーライ、モウコノウマ、マヌルネコ、ユキヒョウ、サイガ、アルガリ、マーモット、アカギツネ、コサックギツネなどの代表として、彼らの存在を発信する「声」と「姿」になってもらうことです。目に見えないものや認知されていないものは存在しないことと同様です。だからこそ、モンちゃんにはいろいろな場所へ行って、たくさんの人と出会ってもらい、モンちゃんの仲間たちに、息を吹き込んでもらいたいと思っています。
「悲しいから」「ただただ寂しいから」…、種が絶滅してほしくないという優しい気持ちが、今の私たちの意識や判断を正してくれるシグナルになることを願っています。この優しい気持ちを一つ一つ集め環境保護への行動に移せば、マザーライに限らず世界中の生き物たちを守る大きな一歩になると信じています。
ハワリンバヤル2019では、実行委員会一丸となって尽力して参ります。この機会に、モンゴルやモンゴルの希少動物たちについてもっと知りたいと思っていただけましたら幸いです。皆様のご来場をお待ちしております。
上智国際大学教養学部
国際経済・経営学コース 2018年卒
ガン・ウルジー ブヤンデルゲル
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